
最近はオークションサイトやフリマアプリの普及により、
友人・知人間だけでなく、ネットを通じた「個人間での車の売買」が非常に増えています。
中間マージンがないため、安く買える・高く売れるというメリットがある一方で、
手続きが複雑でわからない
売買後のトラブルが怖い
という声も多く聞かれます。
実は、こうした個人売買において行政書士が
非常に頼りになる存在であることをご存知でしょうか?
今回は、個人間の車売買において行政書士がサポートできる具体的な内容と、
依頼するメリットについてわかりやすく解説いたします!
個人間の車売買に潜むリスクとは?

行政書士の役割を知る前に、まずは個人売買でよくあるトラブルを確認しておきましょう。
これらは「手続きの不備」や「口約束」が主な原因です。
- 名義変更がされない: 車を渡したのに相手が名義変更をせず、自動車税の納付書が旧所有者(売主)に届いてしまった。
- 連絡が取れない: 代金を支払ったのに車が届かない、または車を渡したのに入金がない。
- 言った言わないの争い: 「事故車ではないと聞いていたのに修復歴があった」「すぐに故障した」などのクレーム。
- 駐車違反の責任: 名義変更前に相手が駐車違反をし、旧所有者に連絡が来てしまった。
こうしたトラブルを防ぎ、スムーズに取引を完了させるために、
行政書士が「法的な手続きのプロ」として介入できるのです。
行政書士ができる4つの主要業務

個人売買において、行政書士に依頼できる主な業務は以下の4点です。
① 売買契約書の作成
もっとも重要なのが「契約書の作成」です。
個人間取引では「口約束」で済ませてしまうケースが多いですが、
これはトラブルの元です。
行政書士は、トラブルを未然に防ぐための条項を盛り込んだ契約書を作成します。
- 瑕疵担保責任(契約不適合責任)の所在: 故障があった場合、誰がいつまで修理費を持つか。
- 名義変更の期限: いつまでに手続きを完了させるか(例:車検の期限や自動車税の起算日を考慮)。
- 自動車税の負担: 今年度分の税金をどちらが負担するか、月割り計算をするか。
- 事故・違反の責任: 車両引き渡し後、名義変更完了までの間の事故や違反の責任の所在。
これらを文書化することで、双方が安心して取引できます。
②車庫証明の取得代行
車を購入(または譲り受け)した場合、
管轄の警察署で「車庫証明(自動車保管場所証明書)」を取得しなければなりません。
これは平日(日中)に最低2回(申請と受取)、警察署へ足を運ぶ必要があります。
また、配置図の作成など書類作成も慣れていないと手間取ります。 行政書士は、この面倒な警察署への手続きを全て代行します。
③ 名義変更(移転登録)の手続き
車の所有者を変更する手続きです。
管轄の運輸支局(陸運局)で行いますが、ここも平日しか開いていません。
書類も複雑で、印鑑証明書、委任状、譲渡証明書などが必要です。
記入ミスが一つでもあると受け付けてもらえません。
行政書士は、必要書類の収集案内から作成、運輸支局への提出までを一貫して行います。
遠方の相手との取引の場合、
全国の行政書士ネットワークを使って、現地のナンバープレートへの変更手続きをスムーズに行うことも可能です。
④ 出張封印(自宅でのナンバー交換)
これが行政書士に依頼する最大のメリットの一つかもしれません。
通常、管轄の運輸支局が変わる場合、
車を平日の昼間に運輸支局へ持ち込み、
後ろのナンバープレートにある「封印」をしてもらう必要があります。
しかし、特定の研修を受けた行政書士(丁種封印受託者)に依頼すれば、
車を運輸支局に持ち込まず、
自宅の駐車場でナンバープレートの交換と封印を行うことができます。
これにより、仕事で平日に車を動かせない方でも、自宅にいながら手続きを完了させることが可能です。
行政書士に依頼するメリット

ここまで業務内容を見てきましたが、改めて依頼するメリットを整理します。
①時間と労力の大幅な節約
ご自身でやる場合、以下のようなスケジュール調整が必要です。
- 警察署へ申請(平日)
- 警察署へ受取(平日・数日後)
- 役所で印鑑証明取得
- 運輸支局へ車を持ち込み手続き(平日)
会社員の方であれば、最低でも2〜3回の有給休暇が必要になるでしょう。
行政書士に依頼すれば、これらの時間を全て買うことができます。
②確実な手続きと心理的な安心感
書類の不備で何度も窓口を行き来するストレスから解放されます。
また、第三者である専門家が間に入ることで、
「きちんとした取引である」という緊張感が生まれ、
相手方の不正や遅延を抑止する効果も期待できます。
③遠隔地取引の円滑化
例えば「東京の売主」と「大阪の買主」の場合、お互いが書類を郵送し合い、
不備があれば送り返し……とやっていると、名義変更に1ヶ月以上かかることも珍しくありません。
行政書士に依頼すれば、書類のチェックから登録まで最短ルートで完結します。
費用対効果をどう考えるか?

もちろん、行政書士に依頼すれば報酬が発生します。
相場としては、車庫証明のみなら1万円前後、
名義変更まで含めると2〜4万円程度(ナンバー代や印紙代等の実費別)になることが一般的です。
「少しでも安く済ませたいから個人売買を選んだのに……」
と思われるかもしれません。
しかし、手続きのために仕事を休む給与の減額分や、
手続きミスによる再申請の手間、
そして万が一トラブルになった際の解決費用(場合によっては弁護士費用など)を考えれば、
数万円で「確実な所有権移転」と「法的安心」を買えるのは、決して高い出費ではないはずです。
特に、高額な車両の取引や、相手と面識がないネット取引の場合は、
必要経費として割り切って依頼することを強くおすすめします。
まとめ:安心できるカーライフのスタートに
個人間の車の売買は、うまくいけば売り手・買い手双方にお得な取引です。
しかし、そこには「手続き」という大きなハードルと、「信用」というリスクが横たわっています。
行政書士は、単なる代書屋ではなく、あなたの取引を安全に完了させるためのパートナーです。
「書類の書き方だけ教えてほしい」
「相手が遠方なんだけどどうすればいい?」
「契約書だけ作ってほしい」
といった部分的な相談でも対応してくれる事務所は多くあります。
個人売買を検討されている方は、トラブルになる前に、
まずはお近くの「車の手続きに詳しい行政書士」に相談してみてはいかがでしょうか。
