「予備的遺言」ってなに?
広島県福山市で相続・後見業務を中心に行っております行政書士の藤井吉彦です。
今日は、私の所属する某団体主催で開催されました「公正証書遺言と遺産分割協議」に関する
研修に参加してきました。
公証役場で公証人をされていた先生が講師を務められたので、法的なお話だけはなく、
実務で経験された様々なお話もあり、非常に有意義な研修でした。
ここで、「公正証書遺言」についておさらいしますと…
公証人と証人2人の立会いの下で公証役場で作成される遺言書のことをいいます。
公証役場で作成するので、公証人の手数料や証人への報酬等の費用がかかりますが…
【メリット】
① 作成方法のミスなど無効になる要素がないため、作成人の不安が解消される
② 紛失しても公証役場に原本が保管されているので、心配ない
③ 証人2人が立会うので、信頼性が高い
④ 亡くなられた際に家庭裁判所での「検認」手続きがいらない
などから、作成される方も多くいらっしゃいます。
さて、ここで公正証書・自筆証書問わず、よくご質問される内容をご紹介したいと思います。
【問題】
Aさんは自分の財産をCさんに相続させるという遺言を書きました。
ところが、遺言によって財産を相続することとなったCさんが遺言者Aさんよりも先に亡くなってしまったら?
この場合、Cさんの子供である
EさんがCさんの代わりにAさんの財産を相続することができるでしょうか?
【答え】できない。
CさんがAさんよりも先に亡くなった場合、Aさんの書いた遺言(Aさんが相続するという部分について)
意味のないものとなってしまいます。
よって、Cさんが相続するはずだった財産については、
法定相続人であるBさん、Dさん、Eさんの3人で相続することとなります。
(青丸印の3人が相続人となる)
B,D,Eさんの間で遺産分割協議によりEさんが相続するという余地はありますが…
通常、あえて、Cさんに相続させるという遺言を書いているのであれば、
B、Dさんの協力が得られないから遺言書を書いている可能性があるため、正直難しいと思います。
こういった、不測の事態を想定して、遺言書を書く際には
「予備的遺言」
というものを付け加えておくことができます。
「CがAより先に亡くなった場合には、Eに相続させる」といった内容のことをいいます。
そうすることによって、確実にCさんまたはEさんに財産を相続させることができるというわけです。
遺言書作成について、お考えの方…
ぜひ、当事務所までお気軽にお問い合わせください‼
初回、相談は無料です。
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