相続についての基礎 ~第3回~

相続の準備
 

広島県福山市で相続・後見業務を中心に行っております行政書士の藤井吉彦です。

 

 

 

さて、第3回の今日は、特別受益・寄与分・遺留分についてお話しします。

 

 

「特別受益」とは…
 数名の相続人がいる場合にそのうちの一部の相続人が亡くなった人から生前に贈与などで財産を受け取ることをいいます。
 一部の相続人が亡くなった人からもらった財産を相続財産に加えて遺産分割を行うことで相続人間の公平を図る制度です。

 

 

 

「寄与分」とは…
 亡くなった方の財産(相続財産)の維持や増加のために寄与(貢献)した人に他の相続人よりも相続財産を多く分けることを目的とした制度です。

 

 

 

「遺留分」とは…
 亡くなった方の法定相続人(配偶者や子供など)に最低限保障されている相続分です。ただし、相続人となる兄弟姉妹には認められていません。

 

 遺言によって相続人のうちの1人にすべての財産を相続させるような場合に、遺留分を侵害されている相続人は、自分の遺留分を主張することによって、財産を取得することができるようになります。

 

 

 ただ、あくまでも最低限保障されている相続分であるので、通常の法定相続分というわけにはいかず…

 ① 直系尊属(父母や祖父母など)だけが相続人であるときには相続財産の1/3
 ② ①以外のときには相続財産の1/2

 についてだけ認められることになります。

 

 

 

 

たとえば、妻と子供2人が相続人であって、その遺留分が侵害されている場合を考えると…
遺留分を主張できるのは亡くなった方の財産の1/2(②の場合)についてなので

 

(妻)相続財産の1/2×法定相続分1/2=1/4
(子)相続財産の1/2×法定相続分1/4=1/8(←1人あたり)

この割合を相続財産額にかけて、遺留分相当の金額を算出します。

 

 

 

遺留分相当の金額を算出したら、遺留分を超える財産を貰っている相続人贈与してもらった人に対して遺留分侵害額請求権を行使することにより、
自分の遺留分相当の財産を取り返すことができます。

 

 

遺留分侵害額請求権は被相続人が①亡くなったことを知っただけではなく、さらに②自分の遺留分が侵害されていることを知ったときから1年以内に行使する必要があります。
ただ、被相続人が亡くなったことを知らないまま亡くなってからから10年が経過した時は
行使できなくなります。(請求権を行使後、5年を経過すると支払い請求権が消滅します)

 

 

 

 

 行使の方法として、遺留分侵害額請求権を行使する旨を相手に伝えるだけでもよいのですが、
のちのち言った・聞いてないというトラブルになりかねませんので、
配達証明付き内容証明郵便で通知することで証拠を残しておくことをお勧めします。

 

 

 

 

 

「遺留分」について詳しく説明しましたが、実務でも一番ご相談があるのが
この「遺留分侵害額請求権」なんです。

「特別受益」や「寄与分」というのは、証明しにくいというのもあって、なかなか認められないというのが私の実務経験上での印象ですが、遺留分侵害請求権は兄弟姉妹以外の相続人であれば、請求できる権利なので比較的請求しやすいからかもしれません。

 

 

 

今日説明させていただいた3つの制度について、気になることがあれば
お気軽に当事務所までお問い合わせください‼

初回、相談は無料です。

 

 

 

 

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